もうほとんどの方が観に行ったと思うので、
遅くなりましたが、ナラタージュのネタバレ込みの感想書きます。
苦しい映画でした。明るさはほぼ無し。
半分あたりまでは、葉山先生のことが理解できなくて
イライラしながら見てました。
その後も、あーわかるわーっていう部分と、
違うやろ、理解できへんっていう部分があって、
観る人の経験値によって感情移入できるかできないかが変わる映画なので、観る人によっては全く心に響くものが無かった人もいるだろうと思いますが、私は涙が出るところが何度かありました。

まず卒業式の後のキス、あれは理解できなかった。
泉からの好きな気持ちを受け入れられないというのに
何でそこでキスしちゃうかなぁと。あれはだめですよね。

好きなのか?っていう素振りを見せるのに、はっきりしない葉山にはイライラするし、ちゃんと好きって言ってもくれないのに何かと好きにならざるをえないようなことをしてくるし。

優しいと思っていた小野くんが、実は独占欲が強い冷たい奴で、泉が男から後をつけられて怖くて電話した時の「迎えに行ったら、もっと好きになってくれる?」で、あーこの人ダメだわと思った。人間的に失格。
泉もこの時、小野くんの本性に愕然としたと思うし、
なおさらこの後の葉山先生の本当の優しさを感じたと思う。

泉が先生の家の前で待ってたけど、あきらめて帰ろうとしたところに、橋の向こうから先生が、ってところ、めっちゃ泣きました。
先生は小野くんと違って「すぐ迎えに行ったのに」とすごく心配してくれて、それが本当の愛ですよね。

でも先生は奥さんのところに帰るっていうのに
じゃ何で最後に一線をこえるんだ、そこが理解できなくて
すごく冷めた気持ちでラブシーンを見てしまった自分ですが
それもきっと観る人によって思うことは違うと思ってて、
私の場合は結婚する未来がある人としか無しだと思う性格だけど、
最後に一度だけでも愛し合ってこそ思い出にできるって思う人もいるのだろうし。

主題歌の歌詞の「正しい夢の終わり方なんて
この世でわたし わたしだけが知ってる
あなたをちゃんと思い出にできたよ」っていうところが
泉の気持ちなのだろう。

葉山が最初は泉を助けてあげたいと思ってたけど、僕のほうが助けられてたって言い、
泉も放火した妻を救ってやれなかったという影を背負ってる先生をほっとけないというか、先生の力になりたい、ってお互いそういう気持ちだったのは、すごくわかりました。

先生からもらった懐中時計の裏に彫ってあった外国語の文字が「幸せであってほしい」だっけ、そういう意味だったとわかったところでも、涙が止まらなかった。(祖父からもらったと言ってたので偶然なのだろうけど)

原作では何年かたって葉山が定期入れの中に
泉と2人でとった写真をずっと入れていたことがわかって
やっぱり好きだったんだって、よりはっきりと確信することができます。

一生に一度の恋、本当は一番好きな人なのに結ばれない、っていうテーマが同じの「マディソン郡の橋」の小説を読んだ時も私はボロ泣きしたんですが、こういうのに弱い。
何か実生活に欲求不満があるのでしょうか(苦笑)

行定監督が恋愛の神映画だという「浮雲」、
(映画の中でも名画座で観てるシーンで使われている)
ものすごいドロドロ不倫話でとても見てみたくなりましたけど
その映画が行定監督に影響を与えたのは
説明的セリフをカットして観る人に考えさせるっていうことで、
ナラタージュも同じくで何を考えてるのかわからなくて
観客がいろいろ思い巡らせて、その人の感覚で観る映画ですよね。

完成披露試写会の時に架純ちゃんが言った「共感できる共感できないというより大切な人を思い出したり、大好きな人を思い出してくれたら嬉しいです」って言葉が、まさに私はその通りだったなと。

エンドロールで涙が止まらず、帰りの電車でも余韻で涙が出てきたのは、私の高校時代の事を思い出したからなんです。
いろいろ気にかけてくれて助けてくれた先生がいて、どうこうなろうとか全然思わなかったけど、好きだったなぁ先生のこと。
自分も先生に救われたなぁ、先生は今でも私の事を覚えているだろうかって考えたら涙が。

家に帰ってすぐに何十年も開けてもいなかった卒業の時のサイン帳を引っ張り出して見て、先生からの言葉が、逆境に負けるなっていうようなことと、最後に「悩みがあったら相談においで」って書いてあるのを見て、また涙。
卒業以来、一度も会ってないままだけど、先生のことを久しぶりに思い出させてくれた、そんな映画にありがとうを言いたいです。

原作本
Amazon→ナラタージュ (角川文庫)
楽天ブックス→ナラタージュ (角川文庫) [ 島本理生 ]


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